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Residential
各種住宅プロジェクトのページです。
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Shell-sheltering House
外部に程よく開く、セミコートハウスタイプの小さな住宅計画です。
A semi-court type house plan moderately open to the outside
Overview
プライバシーを守り防犯性を確保しつつ、自然を取り込み外部に程よく開く、セミコートハウスタイプの住宅計画です。
A semi-court type housing project designed to assure privacy and security in Japan's narrow site conditions, while also being moderately open to the outside to take in nature and secure ventilation.
Elevation
吉田兼好は、徒然草の序盤に「住宅は夏をもって旨とすべし」と記しています。高温多湿の日本では、日射を遮蔽し、開口を多く確保する。夏の涼しさや風通しを最重視すべし、ということですね。
冬の寒さは囲炉裏や衣類などで調整できるとしても、夏の蒸し暑さはエアコン無しではしのげません。
建築基準法では、採光や換気等の見地から、建築物に一定以上の開口を設けることが義務付けられています。しかしながら、24時間換気設備が義務付けられ、北海道以外エアコンの設置がデフォルトとなった現代、開口部を取りすぎると住環境と省エネの両立が困難となります。
また、昨今増加する強盗犯罪への対処からも、開口の計画には配慮が必要となりました。
さらに、通常の住宅の構造では、地震や強大化する台風に対しても、壁量の確保が重要となります。
これらのことを考えると、現代の日本の住宅は、ほどよく壁でくるんだ構造とすることが最適解なのかもしれません。
Plan
隣同士壁を接し坪庭を持つ長屋やテラスハウスは、狭小な日本の敷地条件にはとてもフィットします。
しかしながら「持ち家」となると、処分の自由度が高く独立した「戸建」か、多世帯との共有分を含む区分所有権に割り切った「マンション」の二択となっているのが実情です。
狭小地の戸建住宅の場合、隣地との間に、庭としての使用が困難な、狭く無駄な空間が発生しがちです。
これに接する外壁に開放的な開口を設け、屋内空間の延長として取り込むこともありますが、隣家とのプライバシーの確保が困難となるため、当該壁面は通常、薄暗い中途半端な面となってしまいます。
このため、この面には開口を設けず閉鎖的な壁面と割り切り、コートハウスのように計画し、防犯や耐震・耐風性能の向上を意図しました。
古民家再生
RC壁の設置により伝統構法を耐震化しつつ、古民家の旧来の魅力と現代的なデザインの融合を図った古民家再生案件です。
古民家の再生について
古い日本の知恵の詰まった古民家は、受動的に快適な温熱環境を提供してくれますが、火を使わずエアコンが必須となった今日の生活では、必ずしも最適とは言えません。
ストイックな暮らし方を受け入れる場合を除き、断熱材やペアガラスの導入、気密材の設置など、大幅な改修が必要となり、高額な費用が発生します。
このため、古民家は、生活空間としてではなく、商業施設として再生する方が現実的には相性が良いかもしれません。
※用途や規模により内装制限等の規制への対応が必要となるため、こちらも注意が必要です。
古民家の構造について
一般的に言われる「古民家」の構造は、地震時に耐力壁により地震力に対抗する、耐震型の「在来工法」ではなく、緩やかに変形し、貫や土壁等の靭性により復元する、免振・制振に近い「伝統構法」となります。
この構法は、実は構造解析の難易度が高く、建築基準法に規定される仕様とも異なるため、現行の基準への適合も困難です。
このため、古民家の耐震改修にあたっては、耐震壁等を増設し、強度型として現行基準に適合させる方法も視野に入れておくと良いかもしれません。